「マウスピース矯正は簡単なケースしか治せない」と言われがちですが、正確な診断と精密な治療計画、適切な管理があれば幅広い症例に対応できます。むしろワイヤー矯正より有利な場面も多くあります。本記事ではその理由と当院の取り組みをわかりやすく解説します。
結論:マウスピース矯正は“治らない装置”ではありません
重要なのは装置そのものではなく、診断の精度・デジタルセットアップの質・治療管理(装着時間の管理など)です。これらが揃えば、マウスピース矯正は非常に高精度で安全な治療法になります。
なぜ「治らない」と言われるのか?
① 診断不足で始めてしまうケース
昨今のマウスピース矯正の普及により経験の少ない歯科医師でも手軽に矯正治療を始められるようになりました。もちろんメリットもありますが、レントゲン(セファロ)、咬合評価、骨格診断など正しい診断と技術を持たずに安易に治療を始めると、計画通りに動かず失敗しやすくなります。当院では10年以上の豊富な経験を持つ矯正歯科医師が治療の最初から最後まで必ず担当します
② 治療計画(デジタルセットアップ)の質
マウスピース矯正は治療計画がそのまま「歯の動き」になります。経験と計画の精度が結果に直結するため、差が出やすいのです。
③ 患者さんの装着時間が足りない
取り外し可能なため、装着時間(1日20〜22時間程度)が確保できないと計画通りに進みません。装着管理は非常に重要です。
マウスピース矯正の強み
- 3Dシミュレーション(デジタルセットアップ)で完成像を可視化:治療前に仕上がりを確認でき、必要に応じて計画を調整します。
- 歯1本ごとの精密なコントロール:0.1mm単位で動きを設計できます。
- 大臼歯の遠心移動などが得意:スペース確保や奥歯コントロールでワイヤーより効率的なケースがあり、非抜歯で治療できることが多くあります。
- 痛みが少なく生体に優しい:一定で弱い力で歯を動かすため、歯や周囲組織の負担が小さいです。
ワイヤー矯正より良い結果が出ることもある理由
デジタル設計による誤差の少ない仕上げ
ワイヤーは手作業での微調整が多く、歯の最終ポジションにばらつきが出ることがあります。一方、マウスピースはゴールを0.1mm単位で数値化して設定できるため、仕上がりが安定しやすいケースがあります。
細かい咬合のディテーリングに強い
前述の内容と繋がりますが、o.1mm単位で移動を行えるため、噛み合わせの最終仕上げ(角度や咬合接触の微調整)が行いやすいです。
審美性を保ちながら治療可能
治療中の見た目を気にする患者さんにとって大きなメリットです。見た目を犠牲にせず高精度の治療が行えます。
どんな症例がマウスピースに向いているか
- 基本的には抜歯を含むほぼ全てのケースにおいてマウスピースでの治療が可能です。
※ただし、装着管理が難しい方や歯根(骨の中に埋まっているの歯の根っこ)のコントロール量が多いケースではワイヤーの方が適する場合があります。
当院のマウスピース矯正の特徴
- 必ずセファロ分析・咬合診断を実施(骨格診断も含む)
- 口腔内スキャナーを用いた高精度な型取り(従来の粘土印象は不要)
- 3Dデジタルセットアップで治療ゴールを数値化
- マウスピースとワイヤー、両方の治療法を扱えるため症例に応じた最適選択が可能。マウスピースの使用が難しい場合はワイヤーに変更可能です
- 通院は2〜4ヶ月に1回でOK
よくある質問(FAQ)
- Q. マウスピースで抜歯が必要なケースは治せますか?
- A. はい。抜歯を含む治療でも、適切なデジタル計画を立てれば対応可能です。ただしケースによって難易度は異なります。
- Q. 装着時間を守れないとどうなりますか?
- A. 計画通りに歯が動かないため、治療期間が延びたり追加の調整が必要になります。原則として20〜22時間/日を目安にしてください。
- Q. 痛みはどれくらいですか?
- A. 個人差はありますが、ワイヤーより一般的に痛みは少ないです。力が弱く一定のため、違和感はありますが過度な痛みは少ない傾向です。
まとめ
「マウスピース矯正は治らない」というのは誤解です。精密診断 × デジタルセットアップ × 適切な管理が揃えば、幅広い症例に高精度で対応できます。症例によってはワイヤー矯正より優れた結果を出せることもあります。
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